2023年3月31日(金)~4月12日(水) の13日間、【バルサアカデミーワールドカップ2023】へ出場するためにバルセロナ遠征を実施しました🇪🇸
横浜校として2回目の参加になった本大会は、U8/U10/U12の計3カテゴリーから37名の選手が選出されました。U10のGK2人は広島校と奈良校で参加しました。本遠征は大会期間に加えて、ワンデイカップやカンプノウスタジアムでのトップチームの試合観戦、サグラダファミリアなどの市内観光も行いました。サッカーだけでなく、バルセロナの文化にも触れることで海外でしかできない経験をしてきました。
以下、遠征レポートになります。
- 日本出国からバルセロナへ✈️
成田国際空港🇯🇵→ドバイ空港🇦🇪→バルセロナ到着🇪🇸→ホテル
すでにスペイン遠征を経験している選手もいましたが、多くの選手は初めての海外遠征ということで、出発前は期待と不安を抱えていました。同年代との長期遠征で高揚感も増していましたが、空港での行動や移動の時など、FCバルセロナのエンブレムに恥じない振る舞いをすることが出来ていました。
経由地のドバイ空港では、周囲の人からも注目を浴びながらの移動となり、途中で写真を求められるなど日本では経験しないことを早くも経験することとなりました。バルセロナ到着後はバスで宿泊先のホテルへ向かい、その後、体を現地の時間や気候に慣らす目的でホテル周辺を散策し、夕食を経て、早めの就寝となりました。
バルセロナ遠征3日目
- カンテラの試合見学とフレンドリーマッチ
午前中は、ワールドカップの会場となるFCバルセロナのトレーニング施設でカンテラ(育成下部組織)の試合を観戦しました。
今大会が開催されるトレーニング施設は「ジョアン・ガンペール」という練習場で、トップチームからカンテラまでがトレーニングを行う施設です。大会期間中も女子トップチームやバルサBの選手のトレーニングなどが行われていました。
U15のカンテラの試合観戦後、シンガポールのバルサアカデミーの選手たちと写真を一緒に撮りました。U12カテゴリーが翌日からの大会で対戦するということもあり、国際交流をしてお互いの健闘を祈り合いました。(Good Luck, Have Fun!)
午後は郊外へ移動し、PENYA BLAUGRANA LA ROCAというバルサ後援会チームとの親善試合を行いました。街クラブでもクラブハウスや見学スペースがあり、選手の家族や地元の人達が集まって楽しめる環境になっていました。そして自然と応援にも熱がこもってくるなど、現地のサッカー文化にも触れました。地元の人たちは我々を歓迎してくれて、対戦相手だとしても良いプレイには拍手や声援をくれました。とても素晴らしい雰囲気で親善試合を行うことが出来ました。
翌日からの大会へ向けた最終調整を終え、選手たちの意識も大会モードへと切り替わっていました。
バルセロナ遠征4日目
- バルサアカデミーワールドカップ(大会1日目)
大会初日、選手たちの表情にもやる気がみなぎっており、高いモチベーションで朝を迎えました。大会に先駆けて開会式がヨハン・クライフスタジアムで盛大に行われました🏟️ このスタジアムはFCバルセロナ女子トップチームやFCバルセロナBチームの公式戦を行うスタジアムです。
開会式は参加選手や保護者や観客の方など多くの人が参加しました。
横浜校としての開幕試合はU12で、初戦からバルセロナ グロックとの対戦となりました。初戦は難しい試合になることが多く、U12も先制される苦しい展開から始まりました。しかし、高いモチベーションとトレーニングで培った技術、チームワークを発揮して見事逆転勝利し、横浜校全体を勢いに乗せる素晴らしい幕開けとなりました👏
U12は続けてコロンブス(USA)と対戦して6-0、スイス グラナには4-1で勝利を納めました。
U10はマイアミ プロ(USA)と初戦を戦い3-2で勝利しました。こちらも先制を許す苦しい展開となりましたが、U12の試合を観て、諦めない気持ちを持った選手たちは積極的なプレイを持続させて逆転へと繋げました。次のペルフェクシオナメント(バルセロナ現地テクニックコース)には1-3と敗戦をしてしまいましたが、U12の選手とU8の選手がすぐに駆け付けて、お互いを支え合っていました。まさに横浜校のチーム一丸を象徴するシーンでした。この日の最後にイスタンブール ブラウとの対戦がありました。夜9時開始の難しい試合でしたが、3-1で勝利しました。
U8はヴァルソヴィア グラナ(ポーランド)と初戦を戦い、8-0の素晴らしいスタートを切りました。2試合目のフランス ブラウとの試合は不運もあり1-2の敗戦となりましたが、この時も他のカテゴリーの選手たちが支えていました。
初日:U12 3勝0敗、U10 2勝1敗、 U8 1勝1敗
バルセロナ遠征5日目
- バルサアカデミーワルドカップ(大会2日目)
U12は前日に決勝トーナメント進出を決めており、U10とU8は絶対に負けられない予選最終試合となりました。結果しだいでは全カテゴリーが決勝トーナメント進出する可能性もあり、モチベーションは最高潮に達していました。
U12はシンガポールとの予選最終戦は7-0で勝利し、グループ1位通過を決めました。U10はドミニカと試合を行い、3-0で勝利してグループ2位で決勝トーナメント進出を決めました。U8はニューヨーク プロと試合を行い4-1で勝利し、グループ2位となり2次ラウンド進出を決めました。U8の2次ラウンドは予選を勝ち抜いたチームが3チームずつに分かれ、その総当たりで1位のみがベスト4に進出できるレギュレーションとなっていました。
U12の決勝トーナメント1回戦はイタリア グラナとの対戦となりました。昨年の決勝戦で敗れた相手でもあり、横浜校にとってはリベンジマッチになりました。結果は6-0で終始試合をコントロールしながら得点を取ることができました。普段、アカデミートレーニングで行っているプレイが随所に見られ、バルサのスタイルで得点まで繋げるシーンが多くありました。ベスト8への進出にも気後れすることなく、選手たちは良いイメージのまま2日目を終えることができました。
U10の決勝トーナメント1回戦はバルセロナ グロックとの対戦となりました。試合開始早々に失点をして、とても苦しい展開となりました。それでも1点を取り返してPK戦まで突入する白熱した試合となり、最終的にはP K戦を3-2で勝利をして、ベスト8進出を決めました。
U8の2次ラウンド1試合目はバルセロナ グラナとの対戦となりました。試合前にはU10とU12の選手も応援に駆け付けて、横浜校全員で円陣を組みました。試合は終盤まで拮抗した試合展開となり、0-0のまま試合は進んでいきました。終了2分前にフリーキックを獲得し、それを直接決めて先制しました。試合はそのまま1-0で終了し、劇的な勝利を納めました。
2日目:U12 グループ1位通過/ベスト8進出、U10 グループ2位通過/ベスト8進出、U8 グループ2位通過/2次ラウンド1勝
バルセロナ遠征6日目
- バルサアカデミーワールドカップ(大会3日目)
この日は全てのカテゴリーがベスト4を賭けた戦いが行われました。大会も終盤になり、疲れもある中でしたが、選手たちのモチベーションは落ちることなく試合に臨むことができました。
U12のベスト8の相手はブダペスト グラナ(ハンガリー)でした。この日もトレーニングで培ってきたバルサスタイルを選手たちが表現し、ビルドアップから全選手が連動して得点まで結びつけることができました。結果は4-0でベスト4進出を決めました。ベスト4の相手はイタリア ブラウとの対戦となりました。選手たちは自分たちの実践してきたバルサスタイルを活かして先制することに成功しました。試合終了間際に同点に追いつかれ、試合はPK戦へと突入しました。その結果、3-4で敗戦してしまい、決勝進出を逃してしまいました。
U10のベスト8の相手はバルセロナ ブラウでした。2点を先取される苦しい展開となるも、1点を取り返して積極的に仕掛けていきました。しかしながら、その後4失点をしてしまい、1-6で敗戦となり、5-8位決定戦へと進むことになりました。続く試合はバルセロナ グラナとの対戦となりました。昨日からのバルセロナ グロックの試合から3試合連続でのバルセロナとの戦いとなりました。試合はお互いが1点ずつ取り合う展開となりましたが、ミスから失点をしてしまい、1-2で敗戦してしまいました。
U8は2次ラウンドの最後の試合でイタリア ブラウと対戦しました。引き分け以上でベスト4が決まる試合はどちらも譲らない展開となりました。25分の試合でゴールも大きい中、両チームの選手たちは集中を切らすことなく戦い抜き、結果は0-0で試合終了。2次ラウンドを1勝1分で突破してベスト4進出を決めました。準決勝ではバルセロナ ブラウとの対戦となりました。今までの相手よりもプレスが早く、ミスをする回数も増えてしまいました。そのミスを確実にゴールに繋がれてしまい、0-6で敗戦してしまいました。同年代の選手達と本気の試合をする中で、トライ&エラーを繰り返し、試合を重ねるごとに成長をしていました。ベスト4まで通用していたプレーでも、世界のトップレベルを前にすると通用しなかったという現実が選手たちを次の挑戦へと導いてくれることを願っています。
試合後、敗戦のショックを隠せない中、コテコーチから選手たちへメッセージがありました。
「全力でチャレンジしての結果だから恥じる必要はないし、誇れることである。これがサッカーであり、この悔しさを明日のエネルギーに変えなくてはいけない。そのために横浜校のみんなで支え合わなければいけない。ずっと一丸でやってきたから乗り越えられる!」
U12とU8は翌日に3位決定戦、U10は7-8位決定戦が控えている中で、落ち込んだ気持ちを切り替えるのは難しいことですが、このミーティングが選手たちを前向きにするきっかけとなりました。
3日目:U12 ベスト4敗退で3位決定戦へ、U10ベスト8敗退で7-8位決定戦へ、U8 ベスト4敗退で3位決定戦へ
バルセロナ遠征7日目
- バルサアカデミーワールドカップ(大会最終日)
この日はU12とU8が3位決定戦、U10の7-8位決定戦が行われました。
U12は葛飾校との日本チーム対決に臨みました。近くで活動しているからこそお互いに負けられないというライバル心がぶつかり合う戦いとなりました。
試合はお互いに2点を取り合う展開となりました。ミスだけでなく、勝ちたいという気持ちが先行し過ぎてビルドアップが疎かになる場面も見受けられました。これが大会の難しさで、今まで出来ていたことができなくなってしまうところは今後の課題となると思います。その普段と違う試合展開の中で、ラストワンプレーにドラマは待っていました。ゴールが決まった瞬間に試合終了の笛が吹かれ、U12は3位という好成績で大会を終えることとなりました。
U12にとって、自信を持って取り組んできたプレー、大会を勝ち抜く為の点数の取り方、個々の特徴の理解など、試合を通して理解度が深まったことで失点してもモチベーションを落とすことなく試合に臨めていたと思います。
U10はフランス ブラウとの対戦となりました。この日も先制を許す難しい試合展開となりました。相手チームの前線から早いプレスに苦しめられ、ディフェンスゾーンでのミスが目立ち、そこから失点してしまう場面がありました。攻撃ではシュートチャンスは多く作れたものの、最後のところでサポートが間に合わずに取られてしまうことがありました。その結果、2-3で敗戦してしまい、U10は8位で大会を終えることとなりました。
U8はヴァルソヴィア ブラウ(ポーランド)と対戦をしました。今まで使用していたフィールドより広いフィールドでの試合となったため、運動量も増え、お互いに消耗する試合展開となりました。1点を先制されたものの、追いついてPK戦へと突入しました。お互いに全力を出し尽くして戦った試合はPK4-3で勝利して、U8は3位で大会を終えることとなりました。
横浜校は全てのチームがベスト8以上、2カテゴリーが3位という非常に素晴らしい結果になり、選手たちの健闘を称え合っていました。試合後はヨハン・クライフスタジアムで閉会式が行われ、各カテゴリーの優勝・準優勝チームの表彰が行われました。
その後、コテコーチのもとでディプロマとメダルの授与が行われ、4日間にわたる激闘が幕を閉じました。
午後はバルセロナのシンボルとも言える世界文化遺産のサグラダファミリアへ行きました。建築家アントニ・ガウディが生涯をかけてその建築に取り組んだ建築物で、オリジナルのアイデアがその設計図には多く盛り込まれています。ガウディの死後もその意思は尊重され、受け継がれており、完成にはあと100年とも200年ともかかると言われた時期もありましたが、新しい技術などを取り入れることによりガウディ没後100年にあたる2026年の完成を予定していました。コロナによってその予定は変更してしまいましたが、近い将来その完成を迎えるでしょう。
バルセロナ遠征8日目〜10日目
- 1 Dayカップ、市内観光、カンプノウスタジアムツアー
7日目からはカテゴリーごとに3つのコースに分かれて活動することとなりました。昨年はアカデミーごとにアクティビティを行いましたが、今年はバルサアカデミージャパンでの活動がメインとなりました。
1 DayカップはU10、U12、U8の大会が1日おきに行われました。バルセロナ市内より約1時間北東に進んだところにある”Campo Municipal de Corró d’Amunt”が会場となりました。バルセロナ郊外の街クラブの施設でしたが、スタンドやクラブハウスが併設されているなど、素晴らしい環境で試合をすることができました。U10はワールドカップの翌日ということもあり、どのチームも疲れがある状態での試合となりました。体が重たい状態でも100%のチャレンジをすることができ、結果は7位でした。U12は積極的に地元のチームとの交流も持つことができ、サッカーを通した国際交流を経験することができました。終始リラックスしつつも試合の時は真剣な表情で取り組むことができ、大会結果は5位でした。U8は地元の実力あるチームと対戦しながらも決勝まで進出しました。ここでもPK戦となり、惜しくも敗戦してしまい結果は2位でした。試合後、試合を観ていた地元の人たちから大声援をもらうことができ、選手たちも嬉しそうでした!
市内観光はカタルーニャ広場で写真を撮ったり、ランブラス通りを散策したりしました。バルセロナ市内にはサグラダファミリアの他にもアントニオ・ガウディの手がけた建築物が多くありました。カサ・バトリョなど、その特徴的な外見は一目見ただけでわかるほどの創造性に溢れた建築となっていました。カテゴリーによってはバルセロネータというビーチへ行き、海を見ながら選手たちはリラックスしていました。さらにモンジュイック公園からは、海を背景にしたバルセロナの街並みが眺めました。
カンプノウスタジアムツアーでは、スタジアムの中にはバルサのミュージアムにまずは行きました。バルサの歴史から大会で獲得したトロフィーまで展示されていました。選手たちの好奇心は高まり、試合の際に使用するロッカールームやベンチ、会見場に到着する頃には興奮が隠しきれない様子でした。バルサショップではお目当ての物を買うことができ、選手たちはとても満足そうでした。
バルセロナ遠征11日目
- モンセラット観光とリーガ観戦
午前中はモンセラットへ観光に行きました。バルセロナ郊外へ約2時間移動したところにある山で、キリスト教の聖地と言われる大聖堂があります。山からの景色は素晴らしく、ガウディの創造力にも影響を与えたと言われています。
夜には選手たちの待ちに待ったカンプ・ノウでのリーガ観戦でした⚽️FCバルセロナ対ジローナ戦を観戦するために再びカンプ・ノウを訪れましたが、見学ツアーに参加した時と雰囲気は一変し、スタジアムはサポーターの声援で盛り上がっていました。カンプ・ノウは今年で改修工事に入ってしまうため、伝統あるスタジアムで観戦できる最後のチャンスに居合わせることに選手たちも感激していました。一部スタンドはすでに解体が始まっていました。トップチームの選手が入場し試合が始まると、横浜校の選手たちは惹き込まれていました。憧れの選手たちのプレーやスタジアムの雰囲気は忘れることのできない経験になったと思います。
バルセロナ遠征12日目
- バルセロナから日本へ
短いようで長かったバルセロナ遠征も帰国の日を迎えました。名残惜しさとまた戻ってくるという決意を胸に、選手たちは帰国の途へ着きました。
- 遠征を振り返って
サッカー面では海外選手の身体能力や戦術理解、モチベーションの作り方など、自分たちが経験し学んできたこととの違いを肌で感じることができたと思います。それと同時に通用した部分には自信を持つことが出来たと思います。スペインの文化は街中に溢れる芸術だけでなく、街クラブのあり方や施設の環境からも違いを感じ取れました。一番大きな違いを感じた部分は食事だと思います。日本の食事に慣れていた選手たちにとって、海外の食事は口に合わない物も多かったかと思います。しかし、自分たちが海外でプレイをしたいのであれば、現地の生活にも慣れなくてはいけません。海外でサッカーをするということは実力だけでなく、生活も適応させなくてはいけないということは実感したのではないでしょうか。
そして、この遠征で象徴すべきことの1つがチームワークでした。どんな時もカテゴリーを越えて支え合うことができ、日本に戻ってからも声を掛け合うなど仲間の存在の大きさを学んでくれたと思います。